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1 ROOM COFFEE のカタチ
はじめまして。
東京の板橋区中板橋(池袋駅から東武東上線で4つ目)で1 ROOM COFFEE というお店の店主をしています内山と申します。Instagramや、Facebookページ、twitterではお店の商品や営業日程、その他諸々のオフィシャル情報をお知らせしているのですが、noteでは「経営」と「運営」のことを中心に綴って行こうと思います。DMやコメントをたくさん頂くのはこっち系の話題ですし、色々掘下げて書くと文字数もそれなりになるのでnoteを使ってみようかなと。
これから飲食店を開業したい、もしくは既にしている皆様には一つの事例として受け止めてもらったり、一緒に考えたりできたらと思いますし、そうでない方も1 ROOM マニア・・・もとい、ファンとしてちょっとめんどくさい店主の読み物だと思ってもらえたらと思います。
2013年11月に東京都板橋区、中板橋駅から徒歩1分の場所、店舗面積は約10坪の自分一人で営業する1 ROOM COFFEEを開業。お店の実際のサイズ感、そして1 ROOM という人が暮らすには最小単位であろう間取り、シンプルかつミニマムではあるけれど、その中に暮らしの豊かさや癒しを感じ、刺激やきっかけの生まれる場が作れたらいいなという思いのネーミングでした。日本政策金融公庫に提出した事業計画書には「コーヒーを通じて地域コミュニティ、価値コミュニティを創造する」と、随分かっこいい事を書いて提出しました。
コーヒー業界においては「サードウェーブ」、「スペシャルティコーヒー」という単語がトレンドとなり、一般の消費者にも徐々に浸透し始めた頃、カフェというよりはコーヒースタンドという業態が流行りつつある頃、その流れに乗るというよりは自分のタイミングがたまたまその流れに重なるような時期に1 ROOM COFFEEもカフェというよりは、コーヒースタンドあるいはコーヒーショップという業態のイメージを持って開業しました。
休日に自宅から自転車でふらっと行けるような距離のところに、「自分が行きたい」と思うようなお店が無いと常々思ってはいて、そう思っている人がこの周辺にも住んでいるだろうとも思っていました。だから、この辺でそう思っている人を集客できれば、それなりにお店はやって行けるのでは無いかと思いました。
しかしながらココは東京23区ではあっても、カフェ不毛地帯。大抵の不動産屋で「え!?中板橋でそんなお店!?少なくとも大山(東上線のお隣の駅。板橋区役所や大山ハッピーロードというテレビの撮影にも良く使われている商店街がある)でやった方がいいんじゃないの?と言われたり、「そんな若い人向けのお店ぇ・・・この辺じゃ難しいかもね。』と、やる前からほぼダメ出しをされたり。ちなみに仲介してくれた不動産屋さんは一切そんな事は言いませんでした。
お店を開業してからも、最初はお客様は近所の方が大多数で、「なぜ中板橋にしたんですか!?」としばらく質問され続けました。みんながみんなではないのですが、ちょっとこいつ頭おかしいのか、街のことが分かってないのか?とか、いつまで続くことやら・・・お手並み拝見的なニュアンスが含まれていたのはヒシヒシと感じました。自分の被害妄想かもしれませんが…。「やっとこういうお店ができた!」と純粋に応援してくれる人も居るのですが、かなり多くの方が『中板橋は商売が難しいからね。」と口にするのです。高校生にすら「中板橋は商売が難しいって言いますからね。」と。挙句の果てに「道楽でやってるんでしょ?」というおば様が居たり。こうなって来ると完全に白目です。とにかく長く住んで居る人にはそういう先入観のある街なんですね。自分も十数年住んで居て、飲食店に限らず開店しては閉店し・・・という状況をたくさん見てきたので、分からなくもないです。
が、それが商売が難しいのとはちょっと違うんじゃないかと思うのです。明らかに都内より人口の少ないエリア・街でしっかりやって居るお店(例えば私がコーヒー豆を仕入れて居る千葉のkusa.喫茶さん)があります。また、私自身、新宿や渋谷のいくつかの店舗で店長経験がありますが、あれだけ人が多い場所で常に何か新しいお店はできるし、選択肢も多種多様な環境の中で、お客さんに選ばれ続けるのは至難の技なのです。
いずれにしても本質的に変わらないのは、様々な面で品質を上げること。我々みたいな個人の飲食店であれば、より一層「あそこに行こう」と思う何かがあること。
それをああでもないこうでもないと考えたり、試したり、これはいいと思うことが上手く行かなかったり、なんとなく始めたものが想像以上に大化けしたり、実際に何をしたとか、こういう考え方だったとか、上手く時系列にはならないかもしれないけれど、お店の骨格になっていることを細分化して、あるいはここまでに至る経緯・経験を紐解いたりしながら書き留めて行きたいと思います。
過去と現在と未来では言ってること、考えていること、やっていることは「今」を生きているだけにメタモルフォーゼする可能性が十分ありますが、楽しみながら、今後ともお付き合い頂けたらと思います。