Blog
「私の」売上目標の立て方
皆さんは売上目標はどうやって立てて居るでしょうか?もしくは今後開業したいと考えて居る方は、どれぐらい売ろうと思ってお店を始めるのでしょうか。特に我々のような個人商店と言いますか、ミニマムなサイズ感でお店をやって居る、もしくは始める場合は、「この事業でこれぐらい売ろう!売上を作ろう!』という感覚ではなく、「自分が始めるお店(事業)で、最低限これぐらいは収入を確保したい」というイメージが根底にある中で、「そのためにはこれぐらいの売上が必要だろう」ということで売上目標を設定して居るのではないでしょうか。
ちなみに開業する前の私。
『これぐらい収入欲しいなー。』
『家賃と食材原価と水光熱費でこれぐらいかなー。』
『その他諸々(年金やら健康保険やら税金などなど)の支払いあって・・・』
『融資の返済月々◯◯万円で・・・』
『じゃあ頑張って月間売上□□□万円!』
(一応、想定客単価 × 一日の客数 × 営業日数ぐらいは考慮)
家賃がいくら、水光熱費いくら、食材原価いくら、その他諸々でいくら…で、手元にいくらあったら支払えて、すべて差し引いて残った金額が、最低限手元に残って欲しい金額を満たして居ることが、取り敢えずの売上目標設定完了!!
はい、できましたー。パチパチパチー!!
これ、マヂでやばいので(自分だけかもしれないけど・・・)、こういう感覚の人は今すぐ考えを改めましょう。ざっくりとしたイメージは必要ですが、数字の足し算・引き算だけなら小学生にもできますし、実際には売上がないことには、計算はできても支払いができないっていう自体に陥ること間違いなしです。
「食べていければいい」とか言う発想は捨て去る覚悟が必要です。「食べていければいい」と言う発想や言葉は謙虚な姿勢なのかもしれませんが、人生をかけてお店をやろうとしている人間には、まず勝てません。むしろ「めっちゃ儲かる!!」ぐらいの感覚で始めても、大抵はそうならないので、心配しなくて大丈夫…。
ということで、これはあくまでも私が1 ROOM COFFEEというお店、ざっくりくくるとすればCafeという客単価も決して高くはない飲食業態にカテゴライズされるお店をやっている前提での、売上目標はこういう感じで立てて居るということを書きたいと思います。あくまでも一つの例として、お読み下さい。
■家賃を平日売上アベレージ×3日間の売上で支払う。
3日間の売上で家賃をペイっていうのは、けっこう飲食店開業系の書籍やネットの記事などには書かれて居る目標目安の数字な気もします。様々な条件があるので、一概にこればかりを指標にはできないのですが、家賃分を売上るのに1週間かかってしまうと、実際には他の支払いも含め、けっこう、いやかなり苦しい展開を余儀無くされます(私、経験者…泣)。特にカフェ業態は他業態に比べ、客単価が低めな上に、滞在時間も長めというハンディキャップ的な要素がある中で、この目標をクリアしていくには本当に工夫が必要です。
ちなみに今現在の私自身は、月間の平日売上アベレージ×3日間でのペイを目標値に設定しています。ご来店頂いたことがある方は分かるかもしれませんが、移転後の店舗は一人でやるにはそこそこ大きい店舗面積ですので、その分家賃も上がり、平日3日間の売り上げでの目標設定はなかなかクリアするのが難しいです。実際のところ、「平日売上平均×3日間での家賃ペイ」はしたことがありません。土日絡みの3日間や、イベント開催がらみ平日3日間であれば、クリアすることもありますが、平日アベレージでクリアとなるとネクストステージです。
ここを工夫したり、新たな施策でクリアして行くのが醍醐味ではあります。
(ここの工夫ネタは大なり小なりたくさん。noteに書けるネタもあるかな…)
■人事売上高を5000円に目標設定
人時売上高(にんじうりあげだか)という指標はご存知でしょうか。
簡単に言うと、「スタッフが1時間働くと、いくら売上を上げるのか」と言う指標ですね。この場合は給料や時給に関係無く算出します。
例えば、数字は分かりやすいように簡単にしますが、↓の計算式。
月間売上100万円 ÷ 月間総労働時間200時間 =5000円
私が過去に勤めて来た飲食店の中で、この単語を出して会話をしたことがある人はたった一人しか記憶していません。私としては大事な指標なのですが、それを共有できる人が一人しか居なかったということになります。大規模チェーン店になると、昇格試験があったりするので、把握していたりする方もいるとは思いますが、シフト作成も絡めつつ人時売上高の目標設定・クリアできるお店というのはどれだけあるのでしょうか。これが会社ではなく、ご自身のコントロールでできてきる店長さんは、独立された方が収入が上がるのでは…。
あ、話が逸れましたね。
で、私自身はこの人時売上高の目標を5000円に設定しています。
これはけっこうキツ目の値設定です。今の所、月間で達成した月は一度もありません。忙しかった日であればたまに行くときはありますが。
一般的なお店は3000円〜高くても4000円ぐらいで推移しているのではないでしょうか。個人的には人時売上高をとても重要視しています。なぜなら、どんなに売上が行っても、スタッフの総労働時間(現在は自分一人なので、私一人の労働時間だけですが)が増えれば、人時売上高は上がらず、生産性のないケースになっている可能性がありますし、効率を良くするための工夫を怠っているのかもしれません。
「忙しい」→「人を雇う」→「給与支払い大変」→「売上確保で営業時間延長」と、好ましくないサイクルに陥る可能性があります。
今後誰かを雇用することがある場合は、このことを常に頭に入れておこうと、自分では思っています。
■平日売上アベレージ ×3日間で家賃ペイ
■人時売上高5000円を達成
この2項目が私の売上目標設定ためのポイントです。
このポイントをありきで、その他の支払い、自分の収入を考え、売上目標を設定して行きます。収入がもっと少なくて良ければ休みを増やせますし、逆に言うともっと収入が欲しければ休みなしにすることもできます。ただ目先の収入が欲しくて、「やればお客様は来てくれる」的な発想で休み無しにすることはできますが、人時売上高が下がってしまったり、疲労の蓄積でパフォーマンスが下がってしまったりしないか、普段の工夫やできることを怠り思考停止になってしまっていないかには特に注意するようにしています。
これまで挙げた条件を読み解けば、1 ROOM COFFEEの売上予測ができてしまうことがちょっとアレですが、あえて予測してもらってもいいかなと思います。
どこかお店に行ったときに、条件や状況をピックアップして売上予測をイメージできる力は、今後お店を運営して行く上であって損はない力でもあります。ということで、「私の」売上目標の立て方でした。
ちなみに数字の事ばかり書いて居ますが、身体でいうと、骨格・体幹・基礎体力の部分。技術やセンスを最大限に活かせる土台があってこそ、お店として永くやれるんじゃないかなーと思います。