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変わり続ける無理ゲー攻略法
新型コロナウイルス感染拡大防止策として、4月7日に緊急事態宣言が7都府県に発令され、4月16日にこれが全国に拡大されました。その間に、東京都による営業自粛要請などもあり、一番分かりやすい形で影響を受けてしまう飲食業界としては、言わずもがな、かなり辛い状況です。もちろん、飲食店の脇を固めている事業者の皆さんはじめ、全く違う業界の皆さんも少なからずダメージを受けているのは間違いありませんが。
もう私としては、完全に違うゲームをやっている感覚です。
(※前回も書きましたが、私自身の精神状態を平常時と同じ感覚で保つために
ゲームに臨むイメージを持つようにしていることをご理解下さい。)
お店を始めた7年前は、良い商品・良いコンテンツを作り、育て、それを様々なツールを使って広めていき、お客様に喜んでいただき、その結果自分も喜ぶことができる。そのサイクルを回してより良いお店にしていく。つい先日、2月ぐらいまではそんなゲームをしている感じでした。
そして3月は営業自粛をする飲食店が続々と出てくる中で、営業をすること、自粛すること、それぞれの価値観や正義感の中で着地点が定まらないままのジャッジを要求され続け、メンタルを問われるゲーム。そして、3月後半にはやってもやらなくても辛い完全なるサバイバルゲームに突入しました。
いったんリセットボタンを押してしまった方が、もちろん痛みは伴うでしょうが、ある意味潔い決断かもしれません。前回の投稿で書いたおじさんもそうだし、早々にリセットボタンを押し、ダメージを最小限に食い止めることを選んだ友人(飲食業界ではありませんが)も居ます。ケースバイケースだとは思いますが、彼の場合は従業員のことを考えると、いつ再開できるか分からない、給与を支払い続ける能力には限界がある、その中で会社に留まらせ後々になってダメでしたということになるよりは早い解散をということでした。経営者として一つの勇気ある決断だったと思います。
とは言え諦めの悪い私、1 ROOM COFFEEはゴール無きサバイバルゲームを選び、ジタバタして行きます。ということで、これまでと今後の動きを「私なりの無理ゲー攻略法」ということで整理して行きたいと思います。
あくまでも、私自身が現在置かれている状況の中で選択していること、取り組んでいることを記しています。何かの判断材料やヒントにはなるかもしれませんが、こうした方がいいということではありませんので悪しからず。
1)営業内での販売強化対策
テレワークに移行したり、時短で勤務をしたり、もしくは休業することになった方が増えたことにより、自宅で過ごす時間が増えた方の利用が多くなりました。そのためドリンクをテイクアウトされる方も増えました。そこで持ち帰ることができるのはドリンクだけでなく、ダンク式コーヒーや、コーヒー豆の存在もお知らせ続けることで販売を強化しました。
また、+αで自宅のコーヒータイムで一息ついてもらいたいと思い、お持ち帰りできるショートブレッドやバターガレットなどの焼き菓子を新商品として投入しました。コンビニでは「お弁当+コンビニコーヒー」、1 ROOMでは「テイクアウトドリンク+焼き菓子」という「➕」のポジションです。テイクアウトのドリンクだけでなく+αがあることで、自宅で過ごす際も1 ROOMの魅力が一つ増えたらというイメージです。ちなみに相乗効果で、店内飲食をされた方が、コーヒー豆と焼き菓子を買い求めて帰ることが増えました。営業時間、営業日数を制限していますので、「店内飲食+お持ち帰り」はお店の存続にとっても、とても感謝しております。
2)レシピをSNSで公開
1 ROOM のチーズケーキのレシピをSNSで公開しました。3年前、料理通信さんのお菓子特集で掲載して頂いたレシピですが、SNSでの公開は初めてです。
チーズケーキを作ったり、食べたりする時間を作ることで、お家で過ごす時間を少しでも楽しくできたら思ったことと、終息したら「お店に食べに行きたい」と思ってもらいたい、忘れないでいて欲しいという気持ちです。
これに関していえば、実際に作ってくれた方がInstagramに投稿してくれる方が多く、いつの間にやら「1 ROOM チーズケーキチャレンジ」みたいな流れになりました。メンションを付けてくれた方が多く、お店のストーリーでシェアすることで、それぞれの出来上がりも紹介できました。より多くの方に作っていただくことができ「美味しかった!」という喜びの声はもちろん、「お店に行ってみたい!」「また食べたい!」「落ち着いたら絶対に行く!」というコメント、DMもたくさんいただいているので、とても嬉しく思っています。また、作って投稿した方のフォロワーさんにも初めて知っていただくことができ、結果的に当店のフォロワーさんが増加したと思います。ありがたやありがたや。
3)菓子製造許可の取得
つい先日「菓子製造業の許可」を取得しました。焼き菓子など、対面販売だけであれば特に必要ないのかもしれませんが、今後の状況においては店舗での営業が難しいと判断せざるを得ない展開も考えて、卸しでの販売・通販などの対応もできるように許可を取得しました。これに関しては先月の段階で保健所の地区担当の方に相談をしていたので、保健所行った翌日には検査と許可がおりました。
「今できることを!」ということで、通常営業からテイクアウト営業に切り替えたり、ECストアを構築して通販を開始している店舗さんの情報がたくさん流れて来ますが、今一度、販売方法が問題ないか保健所のサイトなどで確認した方が良いのではないかと思います。
美味しいものをお客様に届けたいというパッションは我々にとって大事ですが、食に携わる者として安全であることが大前提ではないでしょうか。
4)追加融資を受ける(予定)
今現在、融資を受けている商工会議所のマル経融資の拡充措置を利用して、追加融資を受け当面の運転資金を確保する予定です。先日電話をしたところ、今現在の融資を受けた際の担当者さんがお休みとのことでしたので、改めて週明けに折り返し連絡がくることになっています。
旧店舗を開業する際に政策金融公庫から受けた融資が来年の7月で完済になるので、それ以降からの返済スタートにすることで、資金ショートしてしまうリスクヘッジと負担軽減をしつつ、手元のキャッシュに余裕を持たせることで状況の変わる局面があれば何かの設備に投資したりと攻めに転じることができる可能性を保持していたいと思います。
融資に関してはやはり借金ですので返済しないといけません。低金利・あるいは無利息で借りておいて、使わないようであればプールしておいてそのまま返済に充てていく予定です。
5)ECサイトの立ち上げ
5月中旬をめどにECサイトを稼働できるようにして行きたいと思います。今現在現実的に販売できる可能性があるものは、ダンク式コーヒーだけなのですが、在庫の兼ね合いなどもあり、5月中旬をめどにしています。実際に稼働させらるほどの余力があるのかわかりませんが、引き出しはたくさん作って行きたいと思っています。また、3)でも触れましたが、菓子製造業の免許を取得しましたので、焼き菓子などの通販も理論上は可能です。が、こちらは生産能力が低い現実をどうクリアしていくかが課題です。
6)noteの更新
外出自粛要請に協力する意味で、しばらく土日の営業を取りやめておりますので、空いた時間を利用して一週間の動きや、頭の中の整理を兼ねてnoteを更新して行きます。noteに書き出すことで自分の動きや考えを客観的に見ながら、冷静な判断をして、次の行動に移して行こうと思います。誰かに読んでいただける前提で書くことで頭の中で整理したい一つの手段ですので有料記事ではないです。とは言え、サポートはいつも大変感謝しております。
耐えることを学んで欲しい。
耐えると行ってもただ受け身に耐えるのではない。
そんなものは愚かな従属だ。攻撃的な姿勢で耐えるのだ。
アイルトン・セナ
簡単にはそんな気分にはなれない情勢ですが、「攻撃的な姿勢」で耐えようと思います。短期的に「今できること」をやりつつも、中長期的に「本来やること」を忘れず、終息を祈りながらやって行こうと思います。また終息したとしても飲食店と人々のインターフェースが急速に変化していくことは間違いない転換期になるはずです。この点にも対応できる体制(ソロ活動だけど)作りをしたいと思います。
この情勢だからこそ、リスクを伴いながら忙しくお仕事に従事していらっしゃる皆さんにも感謝致します。皆さんが、ホッと気軽に一息つける場所として、1 ROOMに向かってくれる日がいち早く訪れることを願います。