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あんバタートーストから考える店舗運営の話

1 ROOM COFFEE の代名詞的存在となったあんバタートースト。2013年のOPEN当初からトーストはメニューにあったのですが、あんバタートーストを始めたのは、今から約3年前の2016年9月頃でした。

美味しいもの、お客様に喜んでいただける商品を提供したい。

と、常々考えていることは大前提ではありますが「あんバタートースト」を始めたのはけっこう簡単なノリでした。9月、気温も徐々に夏のピークから落ち着き、季節商品として提供していたコーヒーゼリーも気温に足並みを揃えるかのように、出数が減り、他の商品へとオーダーが移行します。

となると、今シーズンのコーヒーゼリーの提供は間も無く終了。その分、何かメニューに1アイテムを入れたいと思いました。しかしながら、何か違うスイーツを作るとなると、自分はそんなポンポンと作り出せるスキルは持ち合わせていません。

そこで、変に頭を悩ませるより、とりあえずメニューに1つアイテムを加えるということを考えました。すごくすごく考えてというわけでなく、直感的に『あんバタートースト』でした。牛乳とアンパンって最高だから、カフェラテとあんバタートーストっていうのは、カフェメニューとして相性が良いかなーっていう感覚。もちろん、お店の営業に組み込むので、↓のポイントは考慮しました。

■既存メニューのトーストに、あんこを乗せたらバリエーションが1つ増える。
■オペレーション・仕込み(仕入れる前提)としても負担が少ない。
■ストック調節で、あんこ自体のロスは少ない。

この3点を考えて、とりあえずメニューに加えてみました。というのがスタート地点です。もちろん美味しいパンを使っている点、あんこも自家製ではないですが「これならOK」と自分が思うものを比較検討して仕入れました。

「とりあえずコレ始めました。」程度にお知らせはするものの、特におすすめしなかったのですが、常連の皆さん早速試してくれます。ありがたや、ありがたや。味は間違いないと思っているので、爆発的ヒットはないものの、定番化していけば良いなというとても地味な始まり。それが自分が思う以上に、たまたまビジュアルも良かったんでしょうね(←すごく計算した訳ではないので、どこか他人事)。

厚切りトーストに切り込みが入って、バターが染みたトースト。あんこがたっぷり乗って、さらに固形のバターがあることで口の中で味のリズムが生まれる。そして必ずオマケでパンの耳付き!                        (※現在は掲載当時と違うパンを使用していますので、違うビジュアルです。)

という、自分としてはたまたまそうなった奇跡のマッチングが、加速度的に普及したInstagramとタイミングバッチリで、世の中に一気に広まっていったように思います。パン屋さんにお願いしている今までの量から2倍の発注量でも追いつかなくなりました。たまたまかなと思っていても、勢いは全く衰えず、ピーク時は全ての客席にあんバタートーストが並ぶ光景が結構当たり前になりました。たまに違うトーストのオーダーが入っても、無意識でアンコを乗せてしまうぐらい。トースターも、2台から3台にしないと追い付かないぐらいでした。自分でもビックリの日がしばらく続きます。とりあえずあんバタートーストが食べられれば他の商品には全く興味がない(水とあんバタートーストって言われたり…)という方が一定の割合でいたのは少々テンションが下がりましたが、きっかけはあんバタートーストでも、お店が気に入って、その後も来てくれる方々増えたのは本当に良かったです。

そうこうしている内にカフェ業態、コーヒースタンド業態であんバタートーストを提供を始めるお店もその後徐々に増えました。私の考察ですが、

■調理としては簡単(当初から言っているオペレーションの負担が少ない)なことから、多くのお店でメニューに取り入れ易かった。

■こだわろうと思えば、パン・あんこ・バター・盛り付けのプレゼンテーション、それぞれの要素でオリジナリティ(インスタ映え…)も出せる。

■上記、両方の理由で若い年齢層に大ヒット!!

■喫茶店や名古屋エリアなどを中心に昔からあったものなので、結構上の年齢層や、名古屋エリア周辺出身の方々にリバイバルヒット!!

■けっこう簡単だけど、自宅で作る人は多くはないのでお店で食べる。

■そもそも日本人はあんこ好き多い!!

の、条件が見事に絡んだのではないかと思います。こういう条件を考えると、最近は「プリン」ブームもこれに違いのではないかと思います。ブームというか、あんバタートースト、プリンに関しては定番化していく流れなのではないかと思います。

芥川龍之介は古典文学を現代版(当時)にアレンジして大ベストセラー作家になったので、我々の業界でも古典というか、前々からあるものをブラッシュアップして今現在にアレンジしたプレゼンテーションができれば、変化しながらでも永く続くモノを改めて生み出せるのではないかと思います。あの400年続く虎屋さんだって、時代によって絶対味は変えているはずだし、プレゼンテーションも変えている。TORAYA CAFEさんでもあんトーストありますし。

結果的に何が言いたいかと言いますと、メニューを考える時は、「これは絶対に!!」というコンセプトの部分や商品自体など、店主さんの気持ちが詰まっているのでもちろん大事ですが、「オペレーションや仕込みの負担が少ない」とか「けっこう前からある」ものでもちょっと変化を加えることで、世の中の需要にハマって喜ばれることもあるので、思いつきでも試してみることかなと思います。むしろ、そういう商品があることで「これは絶対に!!」に対する使える時間も増えます。オペレーションだけでなく「自家製」にこだわる部分・アウトソーシングする部分など、すごく頑張る部分と、良い意味で楽をする部分をジャッジして、バランス良くメニュー構成をして行くことも、お店の運営にとって磨いていくスキルの1つだと思います。

あんバタートースト食べに来てくださーい!それ以外の商品もしっかり脇を固めています!!もちろんコーヒーも!!